日本で最も多い脳疾患、それが脳梗塞です。
脳梗塞は脳の血管に、血栓・血の塊・石灰片・腫瘍の塊等々が詰まることによって、血流を遮断し脳細胞を死滅させる疾患です。そして脳梗塞は3タイプに分類されます。

  • ラクナ梗塞…脳梗塞の40%の人がこの症状に当てはまります。高血圧症の人に多く、睡眠時に発症する場合が多いようです。ラクナ梗塞は脳の動脈といった太い血管でなく、脳の細い血管が詰まるタイプです。ですから症状が軽いため、脳梗塞だと気付かない場合もあり得ます。
    しかし、このラクナ梗塞を見逃し続けることによって(多発性脳梗塞)、大きな脳梗塞を発症してしまえば、命・麻痺・認知症・脳血管性パーキンソン病に関わる状態に陥ってしまいます。
    少し前になりますが、吉本興業の夫婦漫才「大助・花子」の大助さんが、ラクナ梗塞を把握できたことで、麻痺にもならず一命を取りとめました。

    • アテローム血栓性脳梗塞…脳梗塞の35%の人が、この症状に当てはまります。生活習慣病と言えば、糖尿病・高血圧・高脂血症などが挙げられます。これらの病状による動脈硬化で、脳の太い動脈・頸動脈が詰まってしまう疾患です。アテローム血栓性脳梗塞も睡眠時に発症する時が多いようです。ラクナ梗塞と違い太い血管が詰まるので、そのまま「眠ったまま」亡くなられる方も結構います。
      • 心原性塞栓症…脳梗塞の20%の人が、この症状に当てはまります。急性心筋梗塞などによって心臓内で血栓が出来てしまい、そのまま脳内まで流れ込み血管を詰まらせてしまいます。心原性塞栓症は日中活動している時に多く発症し、突然の発作として起きます。緊急対応さえ上手くいけば、命を取りとめることが可能です。

脳梗塞の前兆として「急に手足に力が入らなくなる」「激しい頭痛が起こる」「言葉が一瞬出てこない」「ロレツが回らない」…これらの症状は、一過性脳虚血性発作(TIA)と呼ばれています。

脳内の毛細血管を小さな血栓が瞬間的に詰まらせることによって、を引き起こしていると考えられています。
しかも一過性脳虚血性発作(TIA)は非常にやっかいな発作で、数分から数十分の発作で終わり、1日経つとほとんど症状も治まり、今まで通り普通の生活が出来てしまいます。
だから、症状を見過ごしてしまい、病院にも行かないということになります。

また、この前兆は脳梗塞になった人全員に当てはまるものではありません。20~30%の脳梗塞発症者のみに起こりうる前兆なのです。

中高年の方なら記憶に残っていると思います。元内閣総理大臣:故小渕恵三氏…故小渕氏はテレビで放映されたインタビュー時、約10秒間、言葉が出てこない場面がありました(私も鮮明に覚えています)。それから1ヵ月半後、脳梗塞で亡くなられました。一過性脳虚血性発作(TIA)を見抜けていたら、まだまだご健在だったと思います。

どちらにせよ、上記のような症状が起これば脳梗塞の疑いがあると自分自身自覚し、一刻も早く脳神経外科で検査を受けなければなりません。

脳神経外科でMRI(血管造影剤)を撮れば、すぐに状況がわかります。血流さえきちんと流すことができれば、後遺症も最小限に留めることができます。
私たちは日々の生活の中で不摂生に甘んじてはいけません。規則正しい生活習慣を行うことによって、様々な病気から身を守ることができるわけです。